Travel memories and records vol.3

デザイナーの旅の様子をお伝えしている「旅の記録と記憶」のvol.3

前回のvol.2の続き

DAY.7.8 LAS VEGAS

ROUTE66を通ってグランドキャニオンからラスベガスに移動。大自然から夜のネオン眩しい欲望の楽園に到着。

まず目に飛び込んできたのは大きな月。今まで何度もきているラスベガスではこんな物体は見たことがなかった。興味本位で近づくとオープン前の新しいホテルということが発覚。窓はどうなっているのかとか、不思議なことだらけだけど、奇想天外な発想なものにはとても興味が湧く。次の日の昼に見たらバスケットボールのデザインになっていた。

色々デザインは変わるようで、面白い。電気代食いすぎて潰れないことを願います。オープンしたらいつか行ってみようと思います。

5歳の娘がずっとプールに入りたいと言っていたので、ラスベガスはプールが充実したホテルを抑えていました。

Tahiti Villageというホテルにまず2泊。ラスベガスはいろんな世界がモチーフになった場所なので、タヒチをイメージしたこのホテルを選びました。今回泊まったホテルの中では僕的には一番気に入ったホテルでした。部屋も広くてモーテルみたいな作りになっているので、車もとめて荷物の出し入れもしやすい。ただこの日の外の気温は50度。。。外にいるだけで焦げそうなぐらい暑かった。でも湿気はないので日本の夏よりはそれでもマシです。何よりも部屋の作りなど綺麗で広くて、好みの雰囲気でとても快適でした。

ここで少し古着の買い付けの話。アメリカの古着の買い付けには色々方法があり、フリーマーケット、ボロ屋と言われる古着倉庫、デットストックなどを発掘する宝探し、最後にスリフトと言われるリサイクルショップ屋さん巡りなどがあります。アメリカでは州にもよりますが、古着を寄付すると税金が安くなったりする制度があるために、古着のリサイクルショップがアメリカ全体に色々あります。今回は古着の買い付けが仕事ではなかったので、少しだけですがこのスリフトショップと呼ばれるリサイクルショップにも何軒か行きました。

最近は物価高もありアメリカまで仕入れに来る古着屋さんが少なくなったため、アジアや日本国内で仕入れる古着屋さんが多くなりましたが、昔はこういったところで古着の仕入れも行っていました。なんでもありのこういう場所でお客さんに提案したいものを考えて見つけるのも非常に楽しかった。前に働いていた会社は大量に仕入れるために、スリフトよりもボロ屋がメインの仕入れでしたが、掘り出し物の雑貨や本やレコードなど、色々見れるのでとても好きな場所でした。このほかにもアンティーク屋さんというのがたくさんあるので、インテリアなんかはよくアンティーク屋さんで探していました。お店を作る時はビルや建物を解体したものがたくさん置いてある業者さんなんかもあり、そういったところに行ってお店を作るイメージをしたり仕入れしたりして、ビジネスを考えていました。そういったことが好きだったので、自然とアメリカの文化が自分の中に入っている感覚があります。

それと、アメリカではよく行っているWHOLE FOODSというスーパー。日本だとコストコ見たいな商品の置き方なので、ただのスーパーでもなんだかワクワクします。キッチンが付いているホテルも多いので、外食ばかりでなくたまにはホテルで作るのも楽しい。

そしてラスベガスの乾燥地帯によくあるドライガーデン。庭のデザインはドライガーデンが好きで、自宅の庭というか外構にもドライガーデンを採用しています。

日本ではまだまだ少ないドライガーデンですが、ネバダ州ではこれが当たり前のような植物たちです。

DAY.9 LAS VEGAS NIGHT

2日間ラスベガスで過ごしていたら、妻や子供はラスベガスが気に入ったようなので、急遽もう一泊することにしました。僕は旅の途中は行き先をしっかり決めないので、この日も直前にホテルをおさえてスケジュール変更。せっかくなのでラスベガスで有名なベラージオというホテルに1泊することにしました。以前も宿泊したことのあるこちらのホテルはラスベガス感が味わえると思ったので、妻の誕生日が近いということもあり、ご褒美を兼ねて宿泊。

こちらの噴水のショーが有名なベラージオというホテルです。

中心街のホテルにはほとんどカジノがあります。ホテルのランクによってカジノの標準レートが異なります。ベラージオは最高ランクのホテルのため、ここでカジノをやると大変なことになります。笑 今回は子供もいるためカジノはやりませんでした。僕は基本的にギャンブルなどはやらないのですが、初めてラスベガスに行った23歳の時はクラップスというサイコロを転がすカジノに先輩と共に参戦して、800ドルほど勝てたこともあります。クラップスというゲームはお客さんがサイコロを振って遊ぶゲームなのでディーラーの操作が全くできないのが魅力な点です。

ベラージオのホテルの中。女性が喜びそうな雰囲気でここのホテルにもプールが付いているので娘たちも満足!

DAY.10  SEVEN MAGIC MOUNTAIN〜LOS ANGELES

車での旅を満喫して旅も終盤のため、ロサンゼルスに戻りました。途中セブン・マジック・マウンテンという観光地があるので、そこに寄り道。人工的なアートが砂漠の真ん中に!

ラスベガスからロサンゼルスまで車で約6時間、20代何度も通ったこの道も娘たちがいると一苦労。ロサンゼルスについて少し仕事をして、昔働いていた会社に寄りました。もうこの会社は手放すとお世話になった社長に聞いていたので、最後に記念に寄りました。

この会社で働いたのはたった6年ですが僕が就職したのはこの一社のみ。とても濃密な時間を過ごすことができた場所です。この会社で働いていたからこそ、今があると思っています。会社に所属していても自分次第で行動して自分の人生は切り開いていけるし、何よりも自由を感じた仕事でした。人生長くはないし、人生の大半を仕事で費やしてしまうため、できるだけ好きな仕事、好きな人たちで固めていきたい。今でもそんな風に思っています。独立してもう17年。本当に時が経つのが早い。。。

ここも昔からよく行っているハリウッドにあるGUITAR CENTER。ヴィンテージのギターの値段が上がりすぎていて驚きました。。。そのあとは昔からよく行っていたベニスビーチによって、娘と海に入りました。

DAY.11 VENICE BEACH

ロサンゼルスでは一番西海岸を感じれる、このビーチ。公園もありお土産屋さんもあり、子供たちも楽しそうで、最終日にゆっくりできる落ち着く場所。こういうところで音楽をやりながら暮らせる老後が一番楽しいかもしれない。

最後の夜に宿泊したのはベニスビーチ近くのKINNEYという古いモーテルをリノベーションして少しアート要素をいれた場所。

アメリカではホテルやモーテルに泊まる時は部屋の匂いも気になるところ。大麻の匂いが染み付いた部屋が多いので、子供と一緒だったりするのであれば、出来れば禁煙室でいい環境で泊まらせてあげたい。

今回は別の用事もあったので、その用事もしながら子供達が喜ぶところを見つけて、スケジュールに余裕を持った旅をしました。自分が過ごした場所を家族と共有できたのは、とても幸せなこと。子供も奥さんもアメリカで何かを感じてくれたはず。僕のものづくりの発想はほとんどが古着やアメリカの文化の影響だと思います。古着のバイヤーをすることで、アメリカの様々なことにふれて、たくさん影響を受けた。個人的な旅の記録になりましたが、この記事を見ていただいている方たちになにか参考になればと思います。

20代,30代ずっとアウトプットを続けてきた。最近は少しインプットが足りていなかったように感じています。これからも新たなことをしてインプットを増やして、マイペースで仕事と向き合っていきたい。ちまたのSNSでは洋服を紹介する広告やビジネスが横行していて、なんだか広告を見るたびにSNSを見たくなくなる。洋服屋は見せかけのSNS用のライフスタイルを作り上げて実際のプライベートを隠してビジネスをしているけど、むしろ逆の方がいいのじゃないかと3年ぐらい前に思い出した。商品ばかりをSNSに載せるのではなくて、プライベートを載せれる範囲で載せて、ビジネスを少し押さえてSNSと向き合っていきたい。そんな風にここ数年思っています。

僕には素晴らしい提案をしてくれる、お店のスタッフや取引先様がいるので、ビジネスしすぎないかたちでブランドも続けていきたい!だから今回のこの旅も仕事の部分は出来るだけ伏せて、出来るだけリアルなプライベートが中心の記事にさせてもらいました。服やものが見たい人はHOMEDICTやVarde77の取り扱い店舗にお問い合わせください。そろそろ久しぶりの新作が店舗に入荷します!

photo&text Miyata Hiroyuki

vol.1, vol.2, vol.3にてTravel memories and recordsは完結