Designer’s Lifestyle

久しぶりのジャーナル更新。
いつもとは少し違う角度でお届けします。
お店に来ているお客様のリクエストに答えて、「Varde77のデザイナーのライフスタイル」を取材してきました。
Varde77のデザイナーである宮田は2018年6月に都内から車で約1時間かかる湘南のとある街に移住。
今回は、引越した自宅に直接お邪魔してインタビューを決行しています。
-今日はデザイナーズライフスタイルということでプライベート的な質問もあると思いますが、よろしくお願いします。-
Miyata:
言えないこともあるので、よろしくお願いします。笑
-まず移住したきっかけを教えてください。-
Miyata:
一番は子供が出来たことです。昔から漠然と「子育てをするなら少し田舎に行きたい」という願望を持っていました。また40代になったこのタイミングで、20代、30代とは別の新たなステージに行きたいとも思っていました。であれば、子供ができたこのタイミングがちょうどいいと思い行動しました。
今まで名古屋で約20年、東京で約20年過ごしたので、ここからまた何十年か新たな思い出を作れるのが楽しみです。
-家を購入したということにはなにか心境の変化があったのでしょうか?-
Miyata:
長年賃貸に住んでいて生涯賃貸でもいいと思っていましたが、40歳を過ぎて大切な家族が出来たことで、
家族にしっかり実家という場所を残したいと思ったのも理由ではあります。
あと親が高齢ということもあり、家に泊まって子供と遊べる環境を作りたかったというのもあります。
-この場所に決めた理由は?-
Miyata:
はじめからこの場所と決めていたわけではなく、横浜から湘南全域を含めて探しました。
初めは都内にアクセスのいい東急東横線沿い、その後は横浜全体、葉山、逗子、藤沢とどんどん範囲を広げました。
実は業界の人が好きそうなオシャレな雰囲気の場所が苦手で、ちょっと外した場所が好きなので、そういう意味ではあまりみんなが知らない、この場所は僕にとっては最高の場所でした。
場所は詳しくはこちらでは書けませんが、代官山、中目黒じゃなくて祐天寺みたいな感じの外し具合。
マイペースな僕はこのぐらいの田舎感のある場所が心地よかったです。
色々な物件を見たのですが、どこもなんだかマイナスな雰囲気があって、奥さんと初めてこの場所に来た時は周辺環境の良さや空気の良さで、とにかくプラスの空気があった。
だから二人ともとても気に入りました。
-中古戸建物件ということで探したポイントを教えて下さい。-
Miyata:
周辺環境は前述した通りですが、建物で言えば構造です。
昔から建築を見るのが好きなので、海外に行った時などはどうやって家や建物が作られているかじっくり見ていました。
日本は使い捨ての建物が多く、約30年ぐらいで価値がなくなってしまう。
アメリカやヨーロッパの建物は新築よりも中古の方が高かったりすることもざらにあります。
長年住んで、DIYで手を加えて改築やらメンテナンスをしていって何十年後かに価値が増す、それを子供に引き継いでまたメンテナンスして、とそんなイメージです。
そのためには日本の使い捨ての戸建とは真逆で、100年以上持つ建築を目指している感じ。
今までの経験上、海外の住宅をたくさん見て来たために、そんな日本の住宅のデメリットが目立つようになってしまった。
だったら、数少ない100年建築と言われる構造のしっかりした家を探そうと思って探しました。
かなり手こずりましたが、結果いい物件に出会いました。
不動産屋さんの担当者がVarde77を知ってくれていて頑張ってくれたのも大きいです。笑
-具体的に構造とはどんな部分でしょうか?-
Miyata:
高気密、高断熱、耐震性、防音性、換気、日当たりといったところでしょうか。
以前、コンクリート打ちっ放しの物件に住んでいて、気密性、断熱性が悪かった。
冷気などは建物の隙間から入ってくるので、その隙間が徹底的に考えられている物件を探していました。
高気密、高断熱の建物は防音性も上がります。
建物だけではなく、土地も購入することになるので、水害や塩害、地盤の強さや地震のプレートが近くにないか、土砂崩れが起きないか、なども気にして土地選びも行なっています。
結果、決めた物件はプロの耐震診断などをいれて全てクリアーしています。
海抜も60m以上あるので、東日本クラスの津波が来ても大丈夫な場所です。
海からは車で15分と少し離れているので、塩害もありません。
僕はアコースティックギターが好きなので、湿気は天敵。
湿気が少なくて、高台の日当たりのいい場所です。
何十年と住む家なので、この辺は拘りました。
-家の間取りと広さを教えて下さい。-
Miyata:
5LDKになるのかな。。。+屋根裏といった感じです。
2部屋は仕事部屋です。
プライベートで3LDKを使っています。
広さは約150m2+屋根裏50m2です。
-部屋の内訳を教えて下さい。-
Miyata:
リビング&ダイニング、キッチン、和室、仕事部屋1、仕事部屋2、寝室、子供部屋、屋根裏部屋です。
-築20年の中古物件をリノベーションしたとのことですが、ポイントを教えて下さい。-
Miyata:
元々の物件がオシャレとかではなく、海外の一般的な戸建(日本では珍しいのかもしれない)だったため、逆に何年経っても色褪せない、あえて普通のデザインにしようと思いました。
建築も年代ごとに流行りがあるので、その流行りに流されないと言う部分では自分のファッションの感覚ともリンクしている気がします。
古着で言えば王道のデニムみたいなデザイン。わかりにくいか!笑
2×4という建築方法で、壁などを抜いてしまったりすると、場所によっては耐震性が下がるためプロの診断士とともに構造が弱くならないようにリノベーションしました。結果デザインに制限は出てしまいましたが、
普通の間取りなのもエアコンが効きやすかったりメリットもあるので、住んでみてから結果良かったと思っています。
ポイントとしては素材を大切にしたこと。
無垢の木、ペンキ、モルタルなどの躯体の素材、電気やドアノブなどの素材もプラスチックじゃなくてガラスだったり、真鍮だったりとちゃんとした素材で構成しました。
-苦労した点を教えて下さい。-
Miyata:
図面関係は全部自分でやりました。海外の図面と戦いながら、勉強をして建築の図面、電気の図面を作って業者に指示しています。支給するものも基本的に自分で手配して業者に細かく指示しています。
間違えやすいところは立体図面も起こして指示したので、、、
基本的に業者はよく間違えるので、現場で監督みたいなこともしたので、そこら辺は大変でした。
でも勉強にはなったし、結果良かったと思っています。
-リノベーションで気をつけたことは?-
自分の持っているアンティークの家具をイメージしながら、
リノベーションデザインを組んでいるから、
白、黒、茶、グレーの4色でインテリアが活きるようなシンプルなデザインにしています。
-家具のこだわりを教えて下さい。-
Miyata:
基本的に1点もののアンティークをセレクトしています。
最近はジャンクなものやミッドセンチュリーデザインなどアメリカやオランダの50,60年代の家具を使っています。
ダイニングテーブルは少し妥協になりますが、赤ちゃんの関係で最近イームズデザインのコントラクトテーブルに変えました。その周りに置いてある椅子はアメリカやオランダのアンティークです。
リビングのソファはヴィンテージのレザーソファです。これもすべて1点ものです。
テレビ台とベッドだけは昔自分でデザインして制作したオーク&アイアンのものを使っています。
仕事部屋で使ってる家具はジャンク系が多くて、事務所で使っていたものです。
この辺の什器はいつか買い換えたいです。
-自宅の中でお気に入りの場所はどこでしょう?-
Miyata:
自分でデザインしたから全体的に気に入っているんだけど、奥さんも気にいってくれているキッチンはかなりお気に入りです。

キッチンはあえて昔ながらの、造作棚のキッチンにしています。アイランド型にするか悩みましたが、スペースを広く取るために、あえて無駄な広いスペースを作りました。
-逆に気に入っていない場所はありますか?-
Miyata:
風呂ですね。。。10年後とかこの先またリノベーションするために塗装のみにしてベースを変えませんでした。金額面もあったし。。。
風呂の前に庭のようなスペースが余っているので、いつかそこに風呂を拡大して露天風呂を作ってしまおうとかもくろんでいるので、これから先も楽しめるように残してあります。
あと、庭というか花壇のようなスペースもまだ触っていません。
ガーデニングの勉強はこれからします。笑
-東京との違いを教えて下さい。-
Miyata:
色々あるけど、通勤時間がかかること以外はメリットしかないかな。。。
東京も好きなので、、、
車は奥さんとそれぞれ1台ずつ必要なので、買い足しました。
田舎のが物件の広さとかを考えるとコストパフォーマンスはいいと思います。
近所の人たちは地元愛が強いように思います。
-Varde77の洋服のデザインも自宅で?-
Miyata:
昔から事務所では集中ができないので、自宅でデザインを行っていたけれど、
今は環境が整って、今まで以上に集中できる環境を作る事が出来ました。
-洋服作りと自宅のリノベーション-
Miyata:
日本の雰囲気より海外の雰囲気のが好きなので、いいものを作るために海外の移住も考えた事があるけれど、食事の部分で自分は日本が一番好き。
海外に行くと一週間ぐらいで日本食が恋しくなる。
ならば、日本に海外みたいな環境を作った方がいいと考えるようになりました。
乗る車も、住む家も、自分の好きなもので囲まれていたい。
洋服もその考えが強くて、自分の好きな生地、好きなジッパー、そうした妥協のない好きが詰まったものづくりをしています。一つ一つのこだわりをかたちにするという点では洋服作りもリノベーションも同じです。
-湘南ならではのライフスタイルを教えて下さい。-
まだよくわからないけど、、、
今日ランチしたお店とかは東京ではなかなか見つからないよね!
おいしいまぐろ丼がボリュームタップリで1000円で食べれる。
年を重ねるにつれて、魚料理が好きになったので、こういう店があるのは嬉しい。
ここは普段からよく行く海鮮料理のお店だそうです。
Miyata:
このぐらいのインタビューならいつでもどうぞ!笑
ここからは宮田邸を写真で紹介!
まずはこちらが外観。
撮影した日が曇っていて残念でしたが、高台にありとても気持ちのいい雰囲気です。
築20年を感じさせないのは、外観もリノベーションされているため。
そして玄関。
ブラックに塗装され、ホワイトの大きな玄関扉は日本にはなかなかない雰囲気。
玄関を開けて入ると、、、
靴の収納も十分あって、ゆとりのある玄関。
小物もディスプレイされています。うつっていませんが右側には観葉植物もあります。
お気に入りだという「LOVE ONE ANOTHER」のステンシルが入ったヴィンテージコートラック。
こちらがメインとなるリビング&ダイニング
大開口のサッシをあけるとバルコニーに出れるようになっています。
朝日が綺麗に入るため、気持ち良さそう!
テレビの台は約10年前に自身でデザインしたもの。
壁にはヴィンテージのギターがかけられていて、湿度計が横にある。笑
窓は3重サッシになっており、防音の構造になっているため、夜中でもガンガンギターを弾いているそう。
音楽もクラブなみに大きい音を出していました。
こちらはオランダのヴィンテージ、ミッドセンチュリーデザイナーズチェア。
ダイニングチェアはオランダもののデザインが長年のお気に入りだそうです。
ソファもブランド名は不明ですが、60年代のもの。状態がいいものを選んでいるそう。
スタンドライトももちろんヴィンテージ。
洗面所に寄ってみると、、、
モールテックスと呼ばれる、比較的新しい素材で作られた洗面台。
水道はコーラー社の新品。
すべての部屋や洗面、風呂、トイレに光が入るように設計されています。
筆者が気に入ったのはトイレ。
1階にもトイレはありますが、2階のトイレが気持ちよい空間でした。
これもデザインによるものでしょう。
ちなみにトイレは掃除がしやすい機能的なものを選んだそうです。
そして2階に向かう階段。
さりげなくこちらにもディスプレイされています。
こちらは、2階にある仕事部屋。
こちらは少し雰囲気が変わって無垢の木で囲まれた空間。
基本的に事務所にあった家具を置いているそうですが、1階とはまた違った独特な雰囲気があります。
ジャンクなヴィンテージ家具が置いてあったり、
デザイナーの趣味のカメラが無造作に置いてあったり、
仕事用と趣味の本が混ざっていたりと、、、
仕事と趣味の境界線がないのも面白い感じ。
もう一つの仕事部屋は取材がNGでした。。。
そのかわり、子供部屋をちらりと見せてもらいました。
赤ちゃんまだ4ヶ月ですよねとつっこみたくなるが、、、笑
あと、寝室と屋根裏もNGでした。。。
もう一つ気になったのは家電。
基本的にステンレスの新しい家電の方が好きなようですが、こちらの空気清浄機とお掃除ロボットは特にお気に入りだそうです。
お掃除ロボットが掃除しやすいように床がフラットになるようにリノベーションも計算されているようです。
自宅からは車で15分ぐらい行くと海もあって、気分転換もできる環境。
今回はデザイナーのライフスタイルを拝見しました!
また他にも知りたいことや取材の依頼があれば、
店頭スタッフに相談して見て下さい!

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